「文型なんて覚えて意味あるの?」
英文法の文型と聞くと、本当に覚えて意味があるのか疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、文型はめちゃくちゃ大切なんです!
なぜなら、英文を作る型だからです!
学校では、第1〜5文型の形を覚えて、英文を見てどの文型を見分けられるようにすることをやってきたと思います。
もちろん、文型を見分けることは、文の構造を正しく理解するためには大切ですが、文型の判別だけで終わってしまってはもったいないです。
実際にネイティブは、文型を意識しながら英語を話したり書いたりすることはありません。
なぜ、ネイティブは文型を意識せずとも、文型を簡単に使いこなして、英語を話したり書いたりできているのか?
それは、ネイティブはそれぞれの文型のイメージを使って文を作っているからです。
今回は、第1〜5文型のそれぞれのイメージに触れて、ネイティブがどんな感覚で英文を作っているのか体験していきましょう!
第1文型;SV
第1文型は、S(主語)+V(動詞)で出てきている英文です。
ここで使われるV(動詞)は、自動詞です。
自動詞とは、単なる動作を表す動詞で、他のものや人に動詞の力が及びません。
例えば、次のような英文が第1文型です。
I went to the school yesterday. (私は昨日、学校に行きました。)
「I」がS(主語)でwentがV(動詞)です。
後ろの「to the school yesterday」は修飾語です。
修飾語とは、動詞の力が及ばないもので、説明を加える役割があります。
to the school yesterdayに直接、「went」の力は加わっていませんよね?
「went」は、「I」が行った動作(今回は過去形)を単に表しているだけです。
第1文型はこのように、「他の人やものに力を及ばさない、単なる動作を表す」というイメージを持っています。
第2文型:SVC
第2文型は、S(主語)+V(動詞)+C(補語)でできている英文です。
例えば、次の英文は第2文型です。
I am a doctor. (私は医者です。)
「I」がS(主語)、「am」がV(動詞)、a doctorがC(補語)になっています。
ここで使われているbe動詞(今回はam)は、特に意味を持ちません。
be動詞は、主語がどんなものなのかを説明するつなぎの役割をしています。
そのため、第2文型では、「S=C」(「I」=「a doctor」)という関係が成り立ちます。
この「主語について説明する」というものが、第2文型が持つイメージです。
C(補語)は、S(主語)についての説明なので、動詞か形容詞がきます。
第2文型はbe動詞が使われるイメージが強いですが、「S=C」が成り立つのであれば、be動詞以外の動詞も使うことができます。
I have become a doctor. (私は医者になった。)→ 「I」=「a doctor」
The apple went rotten. (そのリンゴは腐った。)→ 「 The apple = rotten」
You look pretty today. (あなたは今日、可愛く見える。)→「She」=「pretty」
これらの文は、全て「S=C」が成り立っていますよね?
第2文型で使われる動詞は、上記のもの以外にも、get, turn, remain, stay, keep, feel, sound, seem, appearなどの単語が使われます。
get | 〜という状態・感情になる |
turn | 〜という状態になる |
remain | 〜の(状態)のままである |
stay | 〜の(状態)のままである |
keep | 〜の(状態)のままでいる |
feel | 〜の気がする |
sound | 〜のように思う |
seem | 〜のようである |
appear | 〜のようである |
第3文型:SVO
第3文型は、S(主語)+V(動詞)+O(目的語)でできている英文です。
ここで使われるV(動詞)は、他動詞です。
他動詞は、自動詞とは違い、動詞の力が他の人やものに加わります。
例えば、次の英文は第3文型です。
She kissed me yesterday. (彼女は昨日、私にキスをした。)
この例文では、SheがS(主語)、kissedがV(動詞)、meがC(補語)になっています。
ここでは彼女がキスしたという動作の力が私に加わっていますよね?
このように、第3文型は「他の人やものに動作の力を加える」というイメージを持っています。
第1文型と第3文型を比べることで、よりそれぞれの文型のイメージを理解しやすくなります。
こちらの英文をご覧ください。
第1文系 I shot at the bird. (私は鳥をめがけて撃った。)
第3文型 I shot the bird. (私は鳥を撃った。)
この2つの英文は、一見同じ意味を表しているように思えるかもしれません。
しかし、文型が違うことで、全く別の意味になります。
まず第3文型の英文から見ていきます。
第3文型が持つイメージは、「他の人やものに動作の力を加える」でした。
そのため、shot(撃つ)という動作の力が直接、bird(鳥)に加わります。
その結果、鳥に命中するところまで表します。
一方で、第1文型の持つイメージは、「他の人やものに力を及ばさない、単なる動作を表す」でした。
そのため、私がshot(撃つ)したという動作のみを表すため、鳥に命中したかどうかまでは表していません。
そのため、命中していない可能性もあるわけです。
同じ動詞を使ったとしても、第3文型だと、直接動詞の力が目的語に加わっていることが、第1文型と比べるとわかります。
第4文型;SVOO
第4文型は、S(主語)+ V(動詞)+ O(目的語)+ O(目的語)で出来ている英文です。
ここで使われるV(動詞)は、後ろに目的語を置いているので、他動詞になります。
他動詞は、動詞の力が他の人やものに加わるものでした。
例えば、次のような英文が第4文型です。
I gave him a pen . (私はあなたにペンをあげた。)
「I」がS(主語)、gaveがV(動詞)、youがO(目的語)、a penがO(目的語)となっています。
よく最初の目的語(ここでは you)が、間接目的語、2番目の目的語(ここでは a pen)が直接目的語と言われますが、用語を覚える必要はありません。
これらの用語を覚えるよりも、第4文型のイメージを覚えることの方が、何倍も役に立ちます。
第4文型のイメージとは、「与える」です。
上の例文では、「give」が使われているので、わかりやすいですが、その他の動詞を第4文型で使ったとしても、「与える」というイメージは変わりません。
3つ第4文型の英文を作ってみます。
①My parents bought me an iPhone. (両親は私に、iPhoneを買った。)
②She sent me an email yesterday. (彼女は昨日、私にメールを送った。)
③It took me 2 hours to solve the problems in TOEIC. (TOEICの問題を解くのに2時間もかかった。)
①②は、Iphoneを買ってくれた・メールを送ってくれたと考えると、「与える」というイメージがあることがわかります。
③は、解くのに2時間もかかったと、マイナスなイメージがありますが、TOEICの問題を解くことが私に、2時間の負担を与えたと考えることができます。
このように、マイナスの意味を表す、take(時間がかかる)、cost(お金がかかる)、charge(お金を請求する)なども、「負担を与える」と考えると、第4文型で使えることがわかります。
第4文型は、to/forを使って第3文型とも書き換えることができます。
この「to」と「for」の使い分けが難しいと感じる方も多いと思います。
「to」と「for」の使い分けについて、それぞれが持っているイメージから考えていきましょう。
まず、「to」が持っているイメージは、「到達点」です。
そのため、上の例文で使った、give(あげる)、send(送る)など、到達点が意識される動詞では、第3文型では「to」を使います。
①I gave a pen to him . (私はあなたにペンをあげた。)
②She sent an email to me yesterday. (彼女は昨日、私にメールを送った。)
それに対して、「for」が持つイメージは「向かう」です。
どこに「向かう」のかというと、ここでは「与えられる側」です。
「与えられる側」に「向かう」という事は、「受け取る人のために」という事です。
そのため、buy(買う)やcook(料理する)など、「〜のために」が意識される動詞には、「for」が使われます。
③My parents bought an iPhone for me. (両親は、私のためにiPhoneを買ってくれた。)
④My mother cooked dinner for me. (母は、私のために夕食を作ってくれた。)
ちなみに、「to」と「for」のどちらの前置詞も使うことができる動詞もあります。
例えば、「bring」です。
この場合は、「to」を使うのか「for」を使うのかで、英文の表す意味が変わります。
①He brought some flowers to me. (彼は、私に花を持ってきた。)
②He brought some flowers for me. (彼は私のために花を持ってきた。)
①では、「to」が使われているため、「私に」花を持ってきたと単なる到達点が意識されています。
一方で、②では「for」が使われているため、彼が「私のために」持ってきたという、彼の思いやりのようなものを表現することができます。
第5文型:SVOC
第5文型は、S(主語)+V(動詞)+O(目的語)+C(補語)で出来ている英文です。
第5文型で使われる動詞も、後ろにO(目的語)が来るので、他動詞です。
例えば、次のような英文が第5文型です。
We call him Takeshi. (私達は、彼をタケシと呼んでいます。)
「We」がS(主語)、callがV(動詞)、himがO(目的語)、TakeshiがC(補語)になっています。
第5文型はイメージというよりも、第3文型+第2文型と考えるとわかりやすいです。
O(目的語)の後ろにある、C(補語)は、O(目的語)について説明しています。
もし、先ほどあげた例文が、「私達は彼を呼んでいる」で終わってしまったら、「何て呼んでいるの?」と気になりますよね?
その説明(今回はタケシ)を後ろに置いています。
このように、第5文型は、「O(目的語)の説明」をしています。
そのため、第3文型と第2文型合わさって、第5文型になると考えることができます。
他にも、第5文型の例文を見ていきましょう。
①I saw him playing baseball.
(私は彼が野球をしているのを見た。)
②He made me happy. (彼は私を幸せにしてくれた。)
①は、I saw him(私は彼を見ました)→どんな彼を見たのか→playing baseball(野球をしている)と後ろに、私が見た彼の説明がきています。
②では、He made me (彼は私を〜にしてくれました。)→私をどんな風にしたのか→happy(幸せに)と後ろに、私の説明がきています。
文型については以上です。
それぞれの文型のイメージのまとめを表にまとめておきます。
第1文型(SV) | 他の人やものに力を及ばさない、単なる動作を表す |
第2文型(SVC) | 主語について説明する |
第3文型(SVO) | 他の人やものに動作の力を加える |
第4文型(SVOO) | 与える |
第5文型(SVOC) | 第3文型+第2文型 |
文型は形だけ覚えても意味がありません。
それぞれの文型が持つイメージを覚えることで、実際に自分で英語を話す時に使うことができます。
この記事の最初でも書きましたが、文型は英文を作るための型です。
そのため、文型を覚える事はとても大切ですし、役に立ちます。
ぜひ、文型は形だけではなく、イメージと一緒に覚えてください!
というわけで今回は、ここら辺で終わりにしたいと思います!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
では皆さん、一緒に勉強頑張っていきましょう!!!