音読といえば、英語学習では超定番の勉強法です。
実際に音読は、効果のある勉強法として、色んなところで紹介されています。
しかし、中には「本当に音読は効果あるの?」「実際に試してみたけどあまり効果がなかった」と効果に疑問を感じている方もいらっしゃると思います。
早速結論を申し上げると、音読を正しいやり方で継続していけば、必ず効果があります。
というわけで今回は、音読の科学的な効果と、それを可能にするための正しい音読のやり方に加えて、音読の効果を最大限にするための教材選びのコツについて紹介していきます!
音読の効果とは?
正しいやり方で音読を継続することで得られる効果は、大きく次の3点が挙げられます。
①リーディング力の向上
②スピーキング力の向上
③語彙の定着
今回は、なぜ音読がリーディングとスピーキングに効果があるのかについて紹介していきます!
①なぜ音読でリーディング力がアップするのか?
多くの方が、リーディング力をアップさせるために音読を行っていると思います。
なぜ、なぜ音読でリーディング力を上げることができるのでしょうか?
リーディングをしている時の脳内の処理から見ていきましょう。
我々がリーディングを行っている時も、大きく分けて2つの処理が行われています。
ディコーディングと理解という処理です。
ディコーディングとは、では主に音韻符号化という処理が行われています。
音韻符号化とは、目でみた文字を心の中で音声に変えることです。
実際に英文を読んでいただくと、実感することができると思いますが、英文を読んでいる時に、心の中で音読をしていないでしょうか?
このように、我々は目で見た文字も、心の中で音に変換しています。
その後、理解というプロセスで、実際にどんな内容なのかを理解しています。
そのため、ディコーディングに脳の力を使いすぎている段階では、理解に力を使うことができず、英文の内容を理解することが、なかなか難しくなっていまいます。
そこで音読が効果的です。
音読では、全ての単語を発音しなければいけません。
ただ黙読するよりも、ディコーディングにより負荷をかけることができます。
そのため、ディコーディングを鍛えることができます。
ディコーディングが鍛えられると、リーディングをしている時に、脳の力をディコーディングにあまり使わなくて良くなります。
ということは、理解により力を使うことができるので、リーディング力がアップします。
また、音読を繰り返すことで、音読の流暢に行うことができれば、リーディングをする時に、ディコーディングのスピードも上げることができます。
そのため、リーディングのスピードも上げることができます。
よく、「速く音読ができるようになると、英文を読むのも速くなる」と言われているのは、音読によってディコーディングが鍛えられているからだと考えられます。
②なぜ音読でスピーキング力がアップするのか?
英語学習には、大きく分けて、インプットとアウトプットがあります。
インプットとは、情報を自分の中に取り入れること、すなわちリスニングやリーディングのことです。
アウトプットとは、自分が持っている情報を使って発信すること、すなわちスピーキングやライティングです。
我々はインプットした情報をもとに、アウトプットすることができます。
見たり聞いたりしたことがない言葉を話すことなどはできないですよね笑
しかし、インプットした情報をそのままアウトプットすることはできないですよね?
単語帳で単語を覚えたとしても、それをいきなりスピーキングで自由自在に使いこなすことはできません。
スピーキングで使えたとしても、頭の中で「この単語はこういう意味があって」のように、意識しながらでないと使うことができません。
音読は、このインプットとアウトプットの橋渡しような効果があります。
音読で、意識的に覚えた単語を繰り返し発音することによって、無意識的に使える知識にすることができます。
そのため、音読でスピーキング力も上げることができます。
音読の正しいやり方!
音読の正しいやり方の手順は次の通りです。
①黙読(または音読)
②内容を把握する(知らない単語は発音も含めて全て調べる)
③音声を聞く(音源があれば)
④音読
⑤Read and look up
⑥暗誦
まずは、①黙読(または音読)を行い、自分がどこが理解できて、どこが理解できないのかを把握します。
その後、②わからない単語や発音は全て調べましょう。
ここで知らない単語や、内容があやふやな部分をそのままにしておくと、その後の学習効果を下げてしまうので、絶対に②は徹底的に行ってください。
③では、発音を確認するために、音源を使って発音を聞きます。
リーディング用の参考書によっては、音源がないものもあるので、ない場合は、発音がわからない単語を調べることしかできませんが、できるだけ音源を用意できると良いです。
間違った発音のまま音読を繰り返してしまうと、間違った発音が定着してしまい、後で直すことが難しくなってしまいますし、リスニングにも悪影響が出ます。
(間違った発音を覚えてしまうと、正しい発音を聞いた時に聞き取れなくなっていまう。)
教材選びについては、この後詳しく書きますが、なるべく音源がついているものを選びましょう。
④から本格的に音読に入っていきます。
④音読では、絶対に意識していただきたいことあります。
それは、内容を頭の中でイメージしながら音読をすることです。
内容を全くイメージしないで音読では、ディコーディングしか鍛えることができません。
リーディングを行っている時の脳内は、ディコーディングと理解の2つの処理がありました。
もちろん、ディコーディングが鍛えることは大切ですが、より効率的にリーディング力を上げるには、理解も同時に鍛えたいですよね。
なので、内容を頭の中でイメージしながら音読を行うことで、ディコーディングと理解の両方を鍛えていきましょう!
⑤Read and look upと⑥暗誦は、特にスピーキング力をより上げていきたい方向けの学習法です。
⑤Read and look upは、英文を句や節ごとに覚えて、何も見ずに発音していく学習法です。
これは、⑥暗誦の準備になります。
⑥暗誦では何も見ずに発音できるようになるのがゴールですが、最初はかなり難しいので、テキストに( )をつけて、一部を削除して、穴あきの状態で音読していくのが効果的です。
徐々に、( )の部分を増やしていって、最終的に何も見ずに発音できるようにしていきます。
暗誦についてやり方は説明できますが、教材を探すのが大変です笑
なかなか、穴あきが徐々に増えていくスクリプトを用意してくれている教材はありません。
そこで、スクリプトをコピーして、修正液などで( )の代わりに英文を消していくのが個人的にオススメです。
ぜひ、試してみてください!
音読の効果を上げるためのコツ!
スラッシュリーディングが効果的!
英文を読むのが遅くなってしまう原因の1つに、返り読みというものがあります。
返り読みとは、英文を綺麗な日本語訳にするために、前から読んで後ろから返りながら日本語訳にして、内容を理解する読み方です。
簡単な例を挙げます。
I play tennis.
を日本語にすると、
私はテニスをします。
となります。
綺麗に日本語訳するために、tennis→playへと戻りながら訳をしてしまっています。
この例文は、とても簡単なものなので、多くの方は返り読みをしなくても理解できると思いますが、長い文や、構造が複雑な文だと返り読みをしながら読んでしまっている人は多いと思います。
返り読みをしてしまっては、リーディングスピードが遅くなってしまうのは当たり前のことです。
特に日本人は、学校で英文を日本語訳にする授業をたくさん受けているので、返り読みが染み付いてしまっている人が多いと思います。
ではどうすれば良いのいか?
答えは簡単で、英文を頭から一発で読めば良いんです!
、、、
それができないから返り読みをしているんじゃないか!とツッコミが飛んできそうですが(笑)、これにはちゃんとコツがあります。
それが、スラッシュリーディングというものです。
スラッシュリーディングとは、英文に意味のかたまりごとにスラッシュを入れて読むというものです。
スラッシュリーディングにより、意味のかたまりごとに英文を理解することができるので、英文を前から一発で理解する力をつけることができます。
スラッシュを入れる位置は、以下を参考にしてみてください!
①前置詞句の前後
②カンマ(,)・セミコロン(;)、コロン(:)の前
③that・whether・疑問詞節の前
④関係代名詞・関係副詞の前
⑤不定詞・分詞・動名詞の前
⑥接続詞の前
⑦主語(長い場合のみ)
もし、返り読みをしてしまっているという方がいらっしゃれば、先ほども音読の手順の②のところで、スラッシュを入れる作業も一緒にやってください!
そうすることで、意味のかたまりごとに内容を意識しながら、③音声を聞いたり、④音読をすることができるので、英文を前から読む力をつけることができます。
内容を頭の中でイメージしながら音読!
これは、手順のところでも説明したことです笑
大切なことなので、2度繰り返しました笑
内容を頭の中でイメージしながら音読することは、本当に大切なことなので、絶対にやってください!!!
音読の教材選びのコツ!
①自分のレベルにあった教材を選ぶ!
材選びは、英語学習においてとても重要です。
難しすぎる教材を使うことは、モチベーションを落としてしまう原因にもなってしまいます。
目安として、9割以上の単語わかるものを教材として使うのが良いです。
知らない単語が多くても、調べれば何とかならないこともないですが、やはり大変です笑
しかし、TOEICや英検などの英語資格試験に受験される方は、専用の教材を使うのも良いです。
英語を勉強する目的を踏まえた上で、自分にあったベストな教材を選びましょう!
②音声付きの教材を選ぶ!
最近は、リーディング用の教材でも、音声付きのものが増えてきました。
音声がついていないとダメな理由は、先ほども書いた通りです。
音声を使って正しい発音を確認しないと、間違った発音が身についてしまいます。
また、音読をスムーズにできるようにするためには、正しい発音で行うことが一番です。
音読の効果を高めるためにも、やはり音声は大切です!
③英文にスラッシュが入っている教材を選ぶ!
返り読みが染み付いてしまっている方には、ぜひスラッシュリーディングを試して欲しいのですが、自分でスラッシュを入れるのは、正直めんどくさいですよね笑
そんな方は、英文にスラッシュが入っている教材を選びましょう笑
実際に私は、「Core1900」という単語帳を使っていたのですが、「Core1900」では、英文にスラッシュが入っていました。
非常に残念なのですが、「Core1900」は、ver.5へ改訂された時にスラッシュがなくなってしまいました、、、
アルクから出ている「究極の英語リーディング」は、スラッシュが入っている英文も載っていますし、1・2・3とレベル別になっているので、自分のレベルに合った教材を使うことができます。
さらに音声も無料でダウンロードすることができます。
キクタンのリーディングは、単語帳ですが、100字程度の英文がスラッシュ付きで載っていて、音声もついています。
スラッシュ・音声の2つを満たす教材を探すのは、なかなか大変です笑
何か良い教材があれば、コメント欄などで教えてください!笑
音読の正しいやり方と科学的な効果についての紹介は以上です!
音読は、正しいやり方で継続すれば、必ず効果があります!
ぜひ、この記事を参考にして、音読をやってみてください!
というわけで今回は、ここら辺で終わりにしたいと思います!
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
では皆さん、一緒に勉強頑張っていきましょう!!!