シャドーイングは、もともと通訳案内士の方がやっていたトレーニングですが、絶大な効果があるということで、今では通訳案内士に限らず多くの英語学習者が取り入れています。
シャドーイングを毎日継続しているおかげで、TOEICのリスニングでは満点である495点を取得することができ、英検1級の1次試験ではリスニングで85%正解することができため、私はシャドーイングをゴリ推ししています笑
しかし、英語学習者の中には、「シャドーイングという名前は知っているけれど、やり方はイマイチわからない」という方であったり、「シャドーイングって良く聞くけど、本当に効果あるの?」と疑問に思っている方もいらっしゃると思います。
また、「シャドーイングはやってるけど、あまり効果がない」と悩みを持っている方もいらっしゃると思います。
というわけで今回は、シャドーイングの科学的な効果と正しいやり方、そして最後に私のオススメ教材について紹介していきます!
シャドーイングとは?
シャドーイングとは、音声を聞きながら少し遅れて発音する勉強法です!
聞こえてきた音声を影のように追いかけて読むので、シャドー(影)イングという名前らしいです笑
似た勉強法としてオーバーラッピングというものがありますが、オーバーラッピングは音声とぴったりかぶせて発音する勉強法なので、少しやり方が違います。
シャドーイングを行うことによって得られる効果とは!?
シャドーイングを行うことによって得られる効果は、大きく次の5点です。
①リスニング力アップ!
②リーディング力アップ!
③スピーキング力アップ!
④語彙力アップ!
⑤発音がよくなる!
なぜ、これらの効果があるのかについて、①〜③について科学的に紹介していきます!
(少し専門的な話になるところがあるので、興味のない方が飛ばしていただいても構いません笑)
①なぜシャドーイングでリスニング力アップするのか?
シャドーイングでリスニング力がアップする理由を知るためには、まず我々がリスニングをしている時、脳がどのように使われているのかを知る必要があります。
我々がリスニングをしている時、大きく分けて2つの処理が行われています。
2つの処理とは、音声知覚と理解というものです。
音声が聞こえてきた後、まず音声知覚という処理をした後に、理解という処理をします。
音声知覚とは、「シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学」によると、このように説明されてます。
音声知覚とは、耳で聞いた音声がどのようなものか判定し、それを心の中で操作可能な音声形式に変換することです。
シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学p.77より
要するに、聞こえたきた音がどんな音なのかを判別する処理です。
聞こえてきた音を心の中で、自分の知っている音に変換するため、知らない音は正しく聞き取ることができません。
だから、自分で発音できる音は聞き取れるのです。
自分で発音できるということは、自分の中で音を正しく知っているということです。
なので、正しく音声知覚を行うことができます。
音声知覚をの後は、理解という処理を行っています。
理解は名前からもわかるとおり、聞こえてきた音声がどんな内容なのかを理解する段階です。
実は、この理解は細かく分けると、語彙処理・統語処理・意味処理・文脈処理・スキーマ処理と5つに分けることができるのですが、それぞれを細かく説明していると、とんでもない長さになってしまうので、今回は省略します笑
もし、気になるという方がいらっしゃいましたら、先ほど音声知覚の説明で私が引用した「シャドーイング・音読と英語コミュニケーションの科学」を読んでみてください!
ここまで説明してきた通り、我々がリスニングを行っている時には、大きく分けて①音声知覚 ②理解の2つの処理が行われています。
よく「聞き取るだけで精一杯で内容をあまり覚えていません」のように、聞き取れてはいるが、内容が頭に入ってこないという場合は、①音声知覚に、脳の労力がたくさん使われてしまっているため、理解の処理に力を使えていないということが原因として挙げられます。
シャドーイングでは、音を聞いて、後に続いてモノマネをしながら発音していきます。
音声をモノマネしながら発音するためには、かなり集中して音声を聞く必要があります。
かなり集中して音声を聞くことで、音声知覚に大きな負荷をかけることができます。
シャドーイングを繰り返し行い、音声知覚を鍛えていくことで、音声知覚が楽にできるようになります。
音声知覚に使う脳の労力を少なくすることができるので、理解にも力を使うことができ、内容を理解することができるようになります。
そのため、シャドーニングでリスニング力を上げることができます!
②なぜシャドーイングでリーディング力もアップするのか?
シャドーイングといえば、リスニングのための学習法のイメージが強いですが、実はリーディングにも効果があります!
とはいえ、リスニングほどではありませんが笑
なぜ、シャドーイングがリーディングにも効くのか?
リスニングの時と同じように、リーディングをしている時の脳内の処理からみていきます。
我々がリーディングを行っている時も、大きく分けて2つの処理が行われています。
ディコーディングと理解という処理です。
ディコーディングとは、では主に音韻符号化という処理が行われています。
音韻符号化とは、目でみた文字を心の中で音声に変えることです。
実際に英文を読んでいただくと、実感することができると思いますが、英文を読んでいる時に、心の中で音読をしていないでしょうか?
このように、我々は目で見た文字も、心の中で音に変換しています。
ということは、シャドーイングを繰り返すことで、英語がスムーズに発音できるようになれば、リーディングを行う時にも、心の中でスムーズに発音(音韻符号化)を行うことができるため、リーディング力を上げることができます。
ここでは、ざっくり書きましたが、リーディングについては、音読の紹介の時に詳しく書いていきます!
③なぜシャドーイングでスピーキング力がアップするのか?
英語学習には、大きく分けて、インプットとアウトプットがあります。
インプットとは、情報を自分の中に取り入れること、すなわちリスニングやリーディングのことです。
アウトプットとは、自分が持っている情報を使って発信すること、すなわちスピーキングやライティングです。
我々はインプットした情報をもとに、アウトプットすることができます。
見たり聞いたりしたことがない言葉を話すことなどはできないですよね笑
しかし、インプットした情報をそのままアウトプットすることはできないですよね?
単語帳で単語を覚えたとしても、それをいきなりスピーキングで自由自在に使いこなすことはできません。
スピーキングで使えたとしても、頭の中で「この単語はこういう意味があって」のように、意識しながらでないと使うことができません。
シャドーイングでは、このインプットとアウトプットの橋渡しような効果があります。
シャドーイングで、意識的に覚えた単語を繰り返し発音することによって、無意識的に使える知識にすることができます。
そのため、シャドーイングでスピーキング力も上げることができます。
今回詳しく紹介したのは、なぜシャドーイングがリスニング・リーディング・スピーキングに効果があるのか?について詳しく書いてきました。
④の語彙力アップは、ざっくり説明すると、何度も繰り返し発音することによって、長期記憶に定着させることができます。
⑤の発音がよくなるについてもざっくり説明すると、シャドーイングを繰り返すことで、音声知覚の負担が軽くなるため、発音にも注意を向けることができるようになります。
その結果、発音をモノマネする余裕ができ、発音がよくなっていきます。
正しいシャドーイングのやり方!
正しいシャドーイングの手順は次の通りです。
①リスニング
②意味調べ
③プロソディシャドーイング
a.英文を見ながらプロソディシャドーイング
b.何も見ずにプロソディシャドーイング
コンテンツシャドーイング
シャドーイングに入る前段階として、どれくらい自分が理解できるかを確認するために、①まずはリスニングをした後、②知らない単語を調べます。
知らない単語をそのまま放置してシャドーイングをしても意味がないので、最初に調べておくこと必要があります。
そしてシャドーイングに入っていくのですが、シャドーイングは大きく分けて2つの種類があることを知っておく必要があります。
プロソディシャドーイングとコンテンツシャドーイングです。
プロソディシャドーイングとは、音声にのみ注意をむけたシャドーイングです。
それに対して、コンテンツシャドーイングとは、内容をイメージしながら行うシャドーイングです。
シャドーイングがリスニングに効果がある理由のところでも書いた通り、リスニングでは、音声知覚と理解という2つの処理が脳内で行われています。
まずは音声知覚から鍛えていくことが優先です。
音声知覚が楽にできるようになって、初めて理解の処理に脳の労力を割くことができます。
そのため、まずは、プロソディシャドーイングから行う必要があります。
いきなり何も見ずにプロソディシャドーイングをするのは難しいと思うので、まずはスクリプトを見ながら行いましょう。
プロソディシャドーイングは、内容を意識する必要はないので、とにかく音声のようにスラスラ発音できるかに注意しながら行います。
スクリプトを見ながらでも難しいという場合は、再生速度を落として、ゆっくりのスピードから練習するのが良いです。
紙を見ながらスラスラできるようになったら、次は何も見ないで、プロソディシャドーイングを行います。
何も見ずにプロソディシャドーイングができるようになったら、最後にコンテンツシャドーイングを行います。
コンテンツシャドーイングでは、先ほども紹介した通り、内容をしっかりと意識しながら行うことが大切です。
内容を意識しながら行うことによって、リスニングの脳内プロセスの②理解を鍛えることができます。
こちらも、もし何も見ずにコンテンツシャドーイングをするのが難しければ、紙を見た状態から初めても構いません。
とにかく、最終的には何も見ずに内容を意識しながらシャドーイングができるようになるのがゴールです。
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シャドーイングを効果的に行うためのコツ!
・自分のレベルに合った教材を選択する!
教材選びは、英語学習においてとても重要です。
英語学習を始めたばかりの方が、いきなりネイティブスピーカーが普段話す速度の音声を使ってしまうと、あまりに速すぎてついていけません。
モチベーションを落としてしまう原因にもなってしまいます。
スピードは学習者それぞれですが、判断基準として、9割以上の単語わかるものを教材として使うのが良いです。
知らない単語が多くても、調べれば何とかならないこともないですが、やはり大変です笑
しかし、TOEICや英検などの英語資格試験に受験される方は、専用の教材を使うのも良いでしょう。
英語を勉強する目的を踏まえた上で、自分にあったベストな教材を選びましょう!
プロソディ→コンテンツシャドーイングの順番は大切!
正しいシャドーイングのやり方の紹介でも詳しく書きましたが、プロソディシャドーイングからコンテンツシャドーイングの順番が本当に大切です。
リスニングの脳内は①音声知覚から②理解へと移るため、まずは①音声知覚から鍛えていく必要があります。
焦って、最初からコンテンツシャドーイングをやらないように気をつけてください。
もちろん、最初から余裕で発音できるという場合は良いですが、特にシャドーイングを始めたての時は、焦らずプロソディシャドーイングから始めましょう。
焦らずやることが、長期的に見て良いことはたくさんあります。
・発音を学ぶとシャドーイングがよりやりやすくなる!
シャドーイング自体に発音をよくする効果がありますが、英語の個々の音の発音方法について学んでおくことで、よりプロソディシャドーイングがやりやすくなります。
英語には、日本語には無い音があるため、最低でもこれらの音は学んでおかないと、プロソディシャドーイングだけではなかなか身につけることができません。
また、発音を学ぶことで正しい発音ができるようになることで、よりリスニングも正確に聞き取ることができるようになります。
個々の発音以外にも、英語には音声変化という、音をくっつけて発音したり、ある音を発音させなかったりすることがあります。
この音声変化だけでも学んでおくと、プロソディシャドーイングがかなりやりやすくなりますし、コンテンツシャドーイングに移るまでの練習回数を減らすことができます。
個人的には、発音を学んだおかげで、シャドーイングも楽にできるようになりましたし、リスニングもすぐに伸びを実感することができました。
個々の発音と音声変化を学びたいという方には、「英語耳」が役に立ちます。
音声変化だけを学びたいという方には、「5つの音声変化がわかれば英語はみるみる聞き取れるようになる」が役に立ちます。
もし、アメリカ英語の発音を身につけたいという方がいらっしゃれば、「Mastering the American Accent」という参考書が役に立ちます。
英語で書かれていますが、アメリカ英語の発音について詳しく書かれており、実際にアメリカ人の音声を使って発音の練習を行うことができます。
・体を動かしながらやると効果が上がる!
よく、暗記するときは体を動かしながらの方が覚えやすいと言われていますが、シャドーイングでも同じように体を動かしながら行うと効果が上がります。
『外国語を話せるようになるしくみ』の中でも、このように書かれています。
シャドーイングなど言葉の学習と身体の運動はとても共鳴しやすいので相乗効果を発揮し、優れた学習効果を生み出します。
ちなみに私は、自分の部屋やリビングを歩き回りながらシャドーイングをしています笑
最初は家族から変な目で見られていましたが、最近は日常的な光景となっているので、自分が歩き回りながらシャドーイングを行うのが当たり前になっています笑
シャドーイングにオススメの教材!
CNN ENGLISH EXPRESS
「CNN ENGLISH EXPRESS」は、実際にCNNで放送されたニュースを使って英語学習ができる月刊雑誌です。
初級・中級・上級レベルに記事が分かれているので、色んなレベルの学習者が使用することができます。
CDが付属していますし、専用のアプリをダウンロードすれば、CDをパソコンなどに取り込まなくても、スマホでダウンロードして使うことができます。
アプリでは、音声の速さを変えることができるため、自分のレベルに合わせて、シャドーイングを行うことができます。
the Japan times alpha
「the japan times alpha」は、毎週発行される、日本人の英語学習のための英字新聞です。
英字新聞なのですが、音声も用意されています。
専用のサイトに行けば、音源をダウンロードできます。
記事のレベルは、星0〜3の4段階に分かれていて、
0(全レベル)
1(TOEIC550点未満)
2(TOEIC550〜800)
3(TOEIC800以上の人向け)
となっております。
全ての記事に音声がついているわけではないのですが、星1〜3ごとに1〜3ずつ音声が用意されています。
毎週発行されるため、毎週新しい教材を使ってシャドーイングをすることできます。
もちろん、英字新聞なのでリーディング力も上げることができます!
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TOEICや英検の参考書
英語学習者の中には、TOEICや英検など、英語資格試験を目的として勉強しているという方も多いと思います。
そのような方は、それぞれの英語資格試験の参考書を使って、シャドーイングをするのがオススメです。
(実際に私は、ずっとTOEICの問題を使ってシャドーイングをしてきました。)
私のブログでは、英検・TOEICの勉強法や参考書について詳しく紹介しているので、よろしければ参考にしてください!
TOEICはこちらから!
TOEIC600点は多くの学習者にとって、1番最初の大きな壁です。 また、一般的に履歴書に書けるのは600点以上と言われているので、TOEIC600点は、多くの学習者が最初の目標として設 ... 600点を突破した後、次なる関門は730点です! 実際に、私は過去に730点のカベを突破することができず、720点で挫折してしまい、約2ヶ月間、全く英語の勉強をしなくなって ... ここまで600点・730点を達成するための勉強法とオススメの参考書について紹介してきました。 ついに、今回は800点です! おそらく、TOEIC800点というのは、多くの方が目指すスコア ... これまで、600点・730点・800点とスコア別ごとに戦略&参考書&勉強法を紹介してきました。 ついに今回は900点を達成するための方法について紹介していきます! 900点と言うと、かな ...
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英検はこちらから!
ついに、英検準一級の1次試験を突破することができました! というけで、英検準一級一次試験に合格するまでに、私が実際に使っていた参考書を紹介していきたいと思います! &nbs ... どーもー、タケシです! 2018年度第3回の実用英語技能検定で1級の1次試験に合格することができました! というわけで今回は、英検1級1次試験に合格するまでに私が使ってきた参考書と勉強法 ...
英検準一級(一次試験)に合格するために私が使った参考書を全て紹介します!
英検1級に合格するまでに私が使ってきた参考書&勉強法を全て紹介!
以上が、シャドーイングについての紹介です!
私は体調が悪いとき以外、ほぼ毎日シャドーイングを継続しています。
そのおかげもあって、TOEICのリスニングでは満点(495点)、英検1級(1次試験)にも合格できています。
私の経験からも、シャドーイングは確実に効果のある勉強法の1つだと確信を持って言えます。
ぜひみなさんも、シャドーイングを普段の英語学習に取り入れてみてください!
というわけで、今回はここら辺で終わりにしたいと思います!
ここまで読んでいただきありがとうございます!
ではみなさん、一緒に勉強頑張っていきましょう!!!